火葬された「遺骨」サンプルを使用してDNA鑑定はできますか?

火葬された遺骨からは、その故人を特定できるDNAを抽出することは極めて困難で、実質上不可能となります。
DNA鑑定を行うためには、細胞の中の核に存在する核DNAを抽出する必要があります。
ところが、この「核」は細胞の中にひとつのみしかなく、日本の火葬場での千数百度の高温では容易に破壊されてしまいます。
細胞に数千から数万個存在するミトコンドリアがもつDNAであれば高温にさらされても生き残る場合がありますが、こちらは母性由来のDNAしかなく、また、突然変異の可能性が比較的多く観察されるので、通常のDNA血縁鑑定には核のDNAほど適していません。
現在のDNA抽出技術では、遺骨を使用してのDNA鑑定は断念せざろう得ないのが実情です。
ただし、兄弟姉妹鑑定や叔父叔母鑑定、祖父母鑑定などで亡くなられた故人に関係するDNA鑑定が代用できる可能性も残されています。
また、火葬の前に安置されているご遺体からサンプル(試料)を採取して、サンプルの客観性を保ったままDNA鑑定を行うことも可能です。
(ご遺体の状況などによってケースが異なります。)
お客様の状況によってDNA鑑定が可能な場合もございますので、些細なことでもお気軽にお問い合わせいただき確認をなさってください。